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タワー / 川口衞
- 2002
- / 兵庫県播磨科学公園都市
ゲノムタワー
- 建築設計
- 川口衞
- 構造の特徴
- 2重らせんを構造に活用
兵庫県西部に新しく誕生したサイエンス・シティー、「播磨科学公園都市」のための防災行政無線鉄塔(アンテナ高さ25m)で、西播磨県民局庁舎に隣接して建設された。播磨科学公園都市はスプリング・エイト(SPring-8)という名の大型放射光施設を有し、医療、生命科学、物質科学の分野で成果を挙げている。タイミング的にも2000年にヒトゲノムの全容が解明された直後であったので、ゲノムまたはDNAをテーマにした構造システムを提案したいと思った。 DNAは2本のポリヌクレオチドで構成される2重らせん構造を持つ。これに近いシステムをこの鉄塔の構造に用いたいと思ったが、2重らせんはそのままではバネに過ぎないので、構造システムにはならない。しかし、これに補助的なテンション部材を付加してやると、有効なせん断部材として機能することが分かったので、常時荷重と曲げに対応する鉛直部材(中央部鋼管と周辺部ケーブル)と組み合わせて、全体の構造システムを構築することにした。